きづく 〜流れる音楽、彷徨う私、見つける物語。〜

私は、13年間音楽生活を送りました。各地で行ったコンサートや海外でのボランティア演奏などの音楽生活で得た経験を基に、新たな音楽空間を提案したいと考えました。
そもそも、音楽には物語があり、情景があります。誰もが音楽を聴きながら、その物語を想像し、様々な感情を抱きます。しかし、従来のホールで聴いているとき、その想像は頭の中で終結してしまいます。
ここでは、音楽を聴き様々な感情やその音楽の物語に気づき、その時の想いに合う居場所を求めて彷徨います。そして、居場所を見つけて音楽を聴くと、ここに来た時には気づかなかった自分の感情やその音楽の物語を新たに気づきます。新たな気づきは、自分と向き合うきっかけになったり、音楽の感じ方を創造的にさせ、新たな物語をうみます。
敷地は,千葉県夷隅郡大多喜町の養老渓谷の川沿いです。山に囲まれ、山の谷間には、曲流した川が流れています。川に流れる水の音や木々の音、小鳥の囀りなど、自然に囲まれて、自然の音が響き合うと同時に、音楽の音も響き合うでしょう。
そもそもこの場所は、昔は川が流れていたところでしたが、川廻しという川を短絡する工事によって現在は流れていません。
そこで、昔、川が流れていたところに音を流したいと思いました。私は、川に流れる水と音は、一瞬で儚く消えるところに似た要素を感じました。そのため、川に流れる水を、壁が一方向に並列させることで表現し、壁を縫うように音が流れるようにしました。一方向のみにすることで、音の流れが止まらないようにしました。
そして、一方向に並列させた壁に前後のズレをつくり、高さを変えて積み重なります。ズレと高さの差によってうまれる全ての空間は彷徨う人たちの居場所となります。

制作者:小宮莉奈

honors and awards
日本大学生産工学部卒業設計審査会 卒業設計賞5位

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